人知の及ばざる力を持つ、異能力者。人であって人でなき者――
いつからか世界に現れ出た彼らは、持たざる者である人間達によって迫害を受けていた。
そんな異能力者を保護し、社会で適応出来るように支援している、とある会社が存在している。
その会社に保護されている記憶喪失の少女、井川草(主人公)は、しかし彼らが掲げるお題目とは正反対の行いを強制させられていた。
即ち、殺人である。
草は人を殺す感触に疲弊しながらも、パートナーであるスカイという名の少年と、元教育係である水沢十時に囲まれながら、毎日をやり過ごしていた。
そんな彼女にある日、はじめて殺人以外の命令が下された。
ある男を保護せよ――
男の顔も名前も知らされないまま任務に赴いた草とスカイは、保護対象を発見した直後に同僚に襲われる。
「上からの命令だよ。お前達を殺せってな」
なんとかその場から逃げ出した草とスカイは、保護対象である男、終夜を伴って水沢十時の家に転がり込むが――
巡る因果。巡る罪と罰。
例え別れが約束されていても、私は貴方の傍に居たい。
例え別れが約束されていても、私は貴方の傍に居たい。